本記事は、藏本 猛Jr氏の著書『資産を速く・大きく増やせる ラーメン店投資の極意』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています。

ラーメン屋
(画像=Paylessimages / stock.adobe.com)

個人店でも勝てるのが〝ラーメン〟

飲食店の中でもラーメン店には特有の特徴があります。それはナショナルチェーン店が必ずしも強いとはいえないことです。たとえば、牛丼店といえば、やはり吉野家、すき家、松屋などのナショナルチェーンのブランド力が強く、人気があります。低価格と味が安定している安心感があります。

ですから、こうした中に私が個人の店で「牛丼藏本」を開店したとしても、よほど変わったことをしなければ、おそらくお客様はそれほど来店されないでしょう。おいしいのかどうか分かりませんし、ぼったくられるかもしれないと不安になるためです。

ところがラーメン店に関しては、もちろんナショナルチェーンである幸楽苑や日高屋は集客力がありますが、ここにたとえば「藏本ラーメン」を出すと、かえって個人のお店のほうが、お客様が来てくれる場合が多いのです。行列ができることすらあります。路地裏の名店が多いのもラーメン店の特徴です。

つまり、ラーメン店は個人でも十分に勝機を得られるのですね。ラーメンであれば、それほど突飛な値段ではないだろうということや、個人のほうが、ラーメンというベースを元にプラスアルファのこだわりのおいしさを提供してくれるかもしれないという期待感があります。

これはおそらくラーメン特有の文化なのではないかと思います。これが牛丼であれば人々が想像する味やメニューのバリエーションはそんなにないと思われますが、ラーメンとなると、幅広いバリエーションを想像できるという文化ですね。

もともとラーメンにはベースとなる味だけでも味噌系、塩系、豚骨系、醤油系、魚介系などのバリエーションがあり、それぞれがさらにバリエーションを持っています。また、常に新しい味付けやトッピングなどが開発されているのもラーメン文化の特徴です。ですから、お客様は個人のお店でも、いや、むしろ個人のお店だからこそ、何か新しい発見があるかもしれないと期待するのでしょう。

さらに、ラーメンは外国人にとっても日本を訪れたときの楽しみとなっています。ラーメン店は海外にもあるのですが、未だに味は日本国内のラーメンに追いつけません。格段の差があります。

このことをSNSなどで知っている外国人は、来日するとこぞって話題になっているラーメン店を探すのです。

このようにラーメン店は、他の飲食店とは違って個人でも独自のブランドづくりが可能なのです。

金脈を掘り当てるように、いきなり人気店が手に入ることも!

ラーメン店投資を行うに当たっては、事前に立地条件や顧客層の調査、店舗規模などから売り上げの予想を立てて、これなら十分に利益が見込めるだろうと判断します。

ところが年に一度ほど、嬉しい誤算が生じることがあります。予想を超えた繁盛ぶりを示す店が出てくるのです。

最近の例では、家賃や経費などから月商230万円以上あれば十分な利益が得られると判断し、実際には月商400万円を見込めると踏んで開店した店舗があったのですが、ふたを開けてみたら予想を遥かに上回る、月商900万円をたたき出しました(図1–1)。

『ラーメン店投資の極意』より引用
(画像=『ラーメン店投資の極意』より引用)

しかも、開店時のご祝儀売り上げではなく、その後も高収益を維持している超優良店となったのです。このようなときは店舗前にできたお客様の行列を見ながら私もオーナーさんとハイタッチしたい気分になります。

このお店の周りは田んぼしかなく、国道沿いでもなければ、観光地でもありません。しかし、約30台停められる駐車場のおかげで入りやすいためか、たくさんの(おそらく)地元のお客様が来店されています。

また、細麺を使っているため、ゆで時間が短いことで、予想を超えた来客数にも素早く対応することができ、その結果、回転率を上げることが可能となり、目標の倍以上の来客数にも対応できたのです。

このように、ラーメン店に限らず飲食店では、予想を遥かに上回る売り上げをたたき出す店舗がまれに現れます。このようなときは、「金脈を掘り当てた!」と嬉しくなります。しかも、この現象はどれほどの経験を積んでも予測できるようにはなりません。

一方、開店してみたら当初見込んでいた売り上げに届かないということもまれにあります。ほとんどの原因は、オーナーさんが独断で店づくりやメニュー、味付けなどを決めてしまったことにあります。また、スタッフの接客態度に問題があるなどでお客様が逃げてしまうこともあります。

このように売り上げが見込み額に届かないときは原因が分かっていますので、対処方法も明らかです。ただ、一度評判を悪くしてしまったお店を立て直すのは、方法はあっても時間とコストが余計に掛かってしまうことに注意すべきです。

お店を立て直すことができたオーナーさんは、皆、素直にアドバイスを受け止め、行動に移した方ばかりです。素直さと実行力が成否を分けるポイントだと思います。

ラーメン店投資の極意
藏本 猛Jr
ラーメンプロデューサー
一般社団法人国際ラーメン協会 代表

1969年神奈川県生まれ。
1996年、27歳で父親が経営するゴルフ場の社長に就任。200億円の負債を抱えるも、多くの人に助けられ帳消しにし、10年間の社長生活を終える。
その後、ゴルフ場で人気だった「ラーメン」に着目。ラーメン店の開業を目指し、スープや麺の研究を始め、メーカーからの製品化を果たす。
2010年に東京で開業。その後、直営店を15店舗まで拡大した後、全店舗を無償で譲渡。
2014年にラーメンプロデューサーとして活動を開始。現在、月100件以上の依頼が殺到し、プロデュース実績は450店以上。
2019年に一般社団法人国際ラーメン協会を設立。日本のラーメン文化を海外に発信、海外出店のサポート活動を行う。
2020~2022年のコロナ禍においても50店舗以上の出店をサポートし、フランチャイズ化に成功したお店も多数輩出。出店場所の設定からオープンまでをワンストップでサポートするほか、海外出店のサポートも行う。

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『ラーメン店投資の極意』
  1. ラーメン店は個人でも十分に勝機を得られる
  2. 儲かるラーメン店は立地で8割決まる
  3. ラーメン店投資に成功する人としない人の違い
  4. ラーメン店投資を最大化できるのは3店舗から
  5. フランチャイズを成長させるためのポイント
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