トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「大統領信任失うも任期はまだ4年ある不安がリラを覆う。CPI高止まり」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)   

予想レンジ トルコリラ/円4.2-5.2

*野党勝利後、リラは一時上昇したが、伸び悩む
*株価は堅調
*3月CPIは68.5%上昇
*エルドアン時代の終わりの始まりとも言われるが任期は2028年まで続く
*2月鉱工業生産は力強い伸び
*シムシェキ財務大臣の政策は効果が見えず
*3月製造業PMIは小幅悪化
*大統領は5月9日に訪米
*リラは10年で10倍安
*貿易・経常赤字は改善せず
*対円で10年連続陰線を目指すのか
*フィッチは、トルコの格付けを「B」から「Bプラス」に引き上げ
*2023年GDPは4.5%増
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
*預金の4割が外貨預金であることもリラ安要因

(野党勝利後のリラ高も短命)
 地方選挙で野党が勝利した直後は、流れが変わると見てリラが上昇、対円で4.60から伸びて4.747をつけたが、それ以上伸びず、4月8日終値は4.71。対ドルでも32台を一時割ったが伸びず、再び32台。株価は堅調で年初来30.61%高。10年国債利回りは27.285%。

(3月CPIは68.5%上昇)
 3月の消費者物価(CPI)は前年同月比68.5%上昇と、伸び率は前月の67.07%から加速したものの、予想をやや下回った。69.1%上昇が予想されていた。
ただインフレ率は年末までに43.75%に鈍化すると見込まれている。
3月CPIの内訳は教育費が最も値上がりし、13.1%上昇。通信費は5.65%上昇。食品と非アルコール飲料、住宅、飲食店などでも価格上昇が見られた。
3月末に投開票されたトルコ統一地方選挙は、最大都市イスタンブールなど多くの市長選で野党が勝利し、エルドアン大統領と与党・公正発展党(AKP)に大きな打撃となった。アナリストは、高インフレやイスラム教徒有権者の不満などが与党の敗因になったと指摘する。
エルドアン大統領は、党の会議で高インフレが投票行動に大きな影響を及ぼしたとし「特に年金生活者が福祉の縮小で苦しんだ。こうした苦しみを緩和する取り組みが不足した」と述べた。

(2月鉱工業生産は力強い伸び)
 2月の鉱工業生産、前年同月比11.5%と大きく伸びた。前月は1.3%増。鉱業・採石業と製造業の生産が急激に加速し、2022年2月以来の大幅な伸びとなった。一方、電気、ガス、蒸気、空調の供給では生産が減速した。

(シムシェキ財務大臣の檄は効くか?)
 シムシェキ財務大臣の強気な政策も効果が出ない。大臣は「地方選挙を終えた今、マクロ経済の安定を達成し維持するための私たちの取り組みはこれまで以上に強力になっている。私たちは、2023 年 9 月に発表された中期プログラムを実行するための 4 年間の明確な道筋を持っている」と語った。

 さらに続けた。物価の安定を達成することが私たちの最優先事項。金融引き締め政策に加えて、我々は財政規律を回復し、インフレ解消に向けた中央銀行の努力を支援するために支出抑制を優先する。

私たちはまた、トルコ経済の競争力強化と生産性向上に役立つ構造改革の実施にも取り組んでいる。私たちはこれがマラソンであることを認識しており、決意と忍耐力を持って走る。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ上限から反落

 日足、4月3日の2σ上限から反落、3月29日-4月8日の上昇ラインがサポート。4月5日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。雲の下。
 週足、ボリバン2σ下限から反発。まだ下位。3月25日週-4月1日週の上昇ラインがサポート。2月19日週4月1日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
 月足、2σ下限近辺で推移。1月-2月の上昇ラインを下抜く。12月-2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、9年連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。去年当初は僅かに陽転していたが3月から陰転。今年1月は陽線も3月で円に抜きさられ最下位へ。

トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

メルハバ

これはエルドアン大統領の終わりの始まりなのか

 共和人民党(CHP)は目覚ましい結果を見せた。総票数の37.7パーセントを確保し、首都アンカラを含むトルコ最大の都市の支配権を獲得した。

与党公正発展党(AKP)は35.5%で2位となった。南東部では親クルド人左翼の人民平等民主党(DEM)が大半の自治体で勝利した。 2019年の前回地方選挙でも同様だったが、非合法化されたクルディスタン労働者党(PKK)とのつながりを理由に地方自治体の権利を剥奪された。
 
 イスタンブール市長選に勝利したイマモール氏は、すべての宗教的および民族的少数派の名を挙げ、より包括的なトルコを約束した。彼がクルド人のことに言及すると、群衆は歓声を上げた。間違いなく、クルド人の支援がなければ、彼はイスタンブールに勝つことができなかった。

トルコで続いている経済危機がエルドアン大統領の敗北の主な要因だった。中銀が金利を50%に引き上げたにもかかわらず、依然として68.5%という目を見張るようなインフレに苦しんでいる。地方選挙に勝利するため、エルドアン大統領は最低賃金を49%引き上げ、1万7002トルコリラとした。しかし、インフレ率がこれほど高かったため、これはほとんど意味がなかった。

 人々はすでにエルドアン大統領の「終わりの始まり」について話している。前回の地方選挙と同様、これらの結果はエルドアン大統領が無敵ではなく、人々が2018年に始まった生活費危機にうんざりしていることを証明した。しかし、エルドアン大統領の22年にわたる統治に終わりが来るのかどうか判断するのはまだ早い。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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