4年間に6300億円を投資

その中期経営計画では2023年3月期から2026年3月期までの4カ年累計の投資や融資を含む設備投資額を定めている。

成長投資が3600億円、既存インフラの維持更新投資などが2400億円、戦略投資枠が300億円で、合計は6300億円に達する。

成長投資は国内外の不動産開発のほか、北大阪急行線の延伸、東京都千代田区のホテルグランドパレス跡地の開発、さらには阪神タイガースのファーム施設の移転などが含まれる。戦略投資枠はM&Aなどへの投資が、既存インフラの維持更新には鉄道施設やホテルの設備更新などが対象となる。

阪神タイガースの優勝などで上方修正

中期経営計画では業績についても、2026年3月期に営業利益1150億円、事業利益1180億円(営業利益に海外事業投資に伴う持分法投資益30億円を加えた額)という目標を掲げる。

この目標達成に向け、新たに始めた配信事業のほか海外不動産事業や分譲マンション事業の拡大、DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術で生活やビジネスを変革すること)の拡充などに取り組む。

さらに長期ビジョンの最終年である2031年3月期に向けて、分譲マンションや海外不動産などへの投資を一段と加速させるとしている。

足元の2024年3月期は、営業利益997億円(前年度比11.6%増)、事業利益1020億円を見込む。

国内旅⾏やホテル事業の宿泊部門が好調に推移しているほか、阪神タイガースの優勝などでスポーツ事業が好調だったことから2023年10月に、当初予想よりも営業利益を13.7%、事業利益を13.3%引き上げた。

売上高はコロナ禍前の2019年3月期(7914億2700万円)を大きく上回る1兆円(同3.3%増)を見込む。予想通りに業績が推移すれば、M&Aにも出番が回ってきそうだ。

文:M&A Online